東アジア読書共同体のために

東アジア読書共同体のために

東アジア読書共同体のために
~「東アジア出版人会議」10年の議論から~

「書物の共有と交流を求め、東アジア地域に読書共同体を復活させる」を大目標に2005年に結成された民間非営利の会議体、東アジア出版人会議。
日中韓、香港、台湾、沖縄の6地域の出版人がこの大目標を掲げ、自らの地域と出版を想い、歴史・編集・実情・流通・将来像を議論する。
本書はその10年間を抄録した一冊である。

 目  次
序 文  熊沢敏之
Ⅰ 東アジア読書共同体と共同出版
韓敬九 東アジアに知的共通基盤を築き上げるためには
龍澤 武 東アジア読書共同体を検証する―倭漢三才図会を中心に
姜マクシル 東アジア共同出版の可能性と限界

Ⅱ 歴史と現在
林載爵 東アジア出版人の三つの世代
張倩儀 香港出版の国際化条件 ―東西文化の新しい価値
陳翠玲 香港人文出版の現状と思考に関して
他6点

Ⅲ 編集者の経験から
董秀玉 編集風景と学びの人生
林載爵 脱植民地化 ―台湾史再構築の複雑な経験
熊沢敏之 大学と書物の公共性
     ―大学は読書文化の中心となりうるか
他1点

Ⅳ 出版のデジタル化と電子読書の可能性
李家駒 変と不変:新時代の編集の本質に対する断片的思考
項潔 デジタル・アーカイブ、デジタル人文学研究
およびデジタル出版
海老原勇 電子書籍と開かれた読書 ―ひとつの実践報告
他3点

Ⅴ 翻訳の問題
加藤敬事 書物の交流と翻訳をめぐる諸問題について
舒煒 最近十年の中国出版構造の転換と学術翻訳著作の出版
鄭恩淑 翻訳の文化的一致について
    ―垂直的な受容から水平的な共感へ―
他1点

Ⅵ 編集者の発表から
顧青 人文出版の編集運営
   ―『兵以詐立(兵は詐を以って立つ)』を例として
劉瑞琳 「理想国」の学術翻訳出版への理解と追求
張立憲 同年代の児童の異なる読書
他5点

Ⅶ 回顧と提言
大塚信一 東アジア出版人会議を讃えて
董秀玉 経験に頼る時代の終焉、新たな学びへ
金彦鎬 我らが共に開いていく東アジアの書物文化のために
他2点

あとがき  龍澤 武
東アジア出版人会議 年譜・開催一覧

東アジア出版人会議編
A5版上製本
384ページ
定価 2800円+税

引用元:沖縄時事出版